「相続手続ってそもそも、どんな手続をする必要があるのか分からない…」
「相続手続の代行サービスは、どの専門家に頼めばいいのだろう…」
「手続を依頼した場合の報酬はどの位かかるのだろうか不安だ…」
「自分でやれば、報酬がかからないので自分で出来るのか知りたい…」
この記事を見ていただいてるということは現在、こういった悩みを抱えていませんか? ネットでの情報では、色んな専門家がいたり報酬もバラバラで、どの専門家に依頼するのが一番正しい方法なのか分からなかったりしますよね?
相続手続は想像以上に大変です。亡くなった方(被相続人)が所有していた不動産や銀行口座の名義変更など、やらなければいけない手続きは非常に沢山の種類があります。仕事が忙しく、時間が無い中で手続を進めなければいけない人もいるでしょう。そんな時の強い味方が各相続手続の代行サービスです。この記事では、弁護士や税理士、司法書士、行政書士など相続に関わる専門家に相続手続の代行を依頼する際の注意点と選び方のコツを説明します。
*目次
目次
1.相続手続の流れ
2.相続手続きを自分で行うメリットとデメリット
3.相続手続代行サービスの注意点と選び方の4つのコツ
4.相続手続きは誰に依頼すればよい?
5.費用の相場を知りたい
6.まとめ
1.相続手続の流れ
相続手続の大まかな流れを説明します。
遺産を所有する人が亡くなり相続が発生したら、以下の手順で手続を進めることになります。
①遺言書を探す
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②遺言書がある場合、家庭裁判所で遺言書の検認※を受ける
※公正証書遺言や、法務局における自筆証書遺言保管制度を利用した自筆証書遺言は検認不要
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③相続人調査、確定
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④相続財産調査、確定(相続放棄や限定承認を検討する)
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⑤遺言がない場合 遺産分割協議を開く
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⑥遺産分割協議書の作成
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⑦名義変更(銀行預金口座の解約、不動産や有価証券の名義変更)
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⑧相続税の申告、納税
なお、ここでは相続手続のおおまかな流れを説明していますが、それぞれ期限がありますので注意が必要です。
この流れを見ただけでも専門用語が出てきて何を、どのように手続を、行っていけばよいか混乱すると思います。
2.自分で行う場合のメリットとデメリット
相続手続は自分で行うことも可能ですが、自分で相続手続を進めても問題はないのでしょうか?結論から言うと、自分で相続手続を進めても問題ありません。
ここでは、相続手続きを自分で行うことによるメリット・デメリットを詳しく説明していきます。
【メリット】相続登記やその他の相続手続にかかる費用を抑えられる。
相続登記を自分自身で行えば、相続登記にかかる費用を抑えられます。
相続登記は専門的な知識が必要です。
司法書士や弁護士、税理士などの各種専門家に相談すれば相続登記の手間と時間を省ける、自分で行って失敗するリスクを軽減することが可能です。
しかし、各種専門家に相談すると、数万円~数十万円の報酬(手数料)を支払わなくてはなりません。
自分で相続登記や相続手続を行う場合は、報酬を支払わずに済むため、登録免許税や必要書類の手配にかかる実費費用などの最低限の費用(支出)に抑えられるのがメリットです。
【デメリット】時間と手間がかかる。精神的に疲弊する。
相続登記はもちろん、その他の名義変更や戸籍収集などの相続手続を自分自身で行う場合、何かと時間と手間がかかるケースが多いです。
例えば、必要書類の手配(登記事項証明書、登記簿謄本、権利証など)、相続人確定、どのように遺産分割するのか決定する遺産分割協議、申請書の作成(添付書類への必要事項の記載、印鑑の押印)などです。これらを自分でやる場合には、役所や法務局などに出向いたり、質問したり問合せが必要になります。また、手続の手引など説明書のようなものがありますが、これを読むだけで、普通の人は精神的に疲弊すると思います。
提出した申請書に何らかの不備があった場合、やり直しの手間と時間が更に、かかることになり、精神的にも疲弊しストレスを感じる事も多いと思います。
3.相続手続の代行サービスの注意点と選び方の4つのコツ
まず、最初にお伝えすると相続手続はかなり大変な作業となります。
相続手続をやる為に、時間を作り毎日それだけにかかりっきりになれるならまだしも、相続で家族を失った悲しみの中で、家庭や仕事をこなしながら、相続手続と両立しなければならないとなったら、その負担は計り知れません。
そこで、そんな時に利用出来るのが、相続に関わる専門家による代行サービスとなります。最近では、相続手続の代行サービスがかなり普及しています。
相続人と相続財産の確定、相続税申告、被相続人が所有していた不動産の名義変更(相続登記)、銀行口座や証券会社の名義変更手続きなどを行ってくれます。
相続の手続きは専門性が高く、その専門家にしか扱うことのできない業務や、資格を必要とする業務も複数あります。代行を請け負ってくれる事務所が自分の頼みたい業務を専門としているか、担当者が資格を保有しているか、相続手続のうちどの内容に強いのか、なども確認したうえで依頼するようにするのがよいです。
ここで、相続手続の代行サービスを選ぶ際の4つのコツをお伝えします。
次の4点に注意して選ぶようにしましょう。
金額に妥当性があるか
金額口コミ・評判がよいか
相談時、問合せ時の対応がよいか
公式HPに不審な点がないか
それぞれについてもう少し詳しく説明します。
①金額に妥当性があるか
基本的に、代行サービスを行う各事務所のウェブサイトには報酬の目安が掲載されています。後述する通り、パッケージプランでの記載が多いと思いますが、別途費用がかかる手続きもあります。複数の事務所に見積もりを依頼し、パッケージプラン外の手続きの料金も加算した報酬を比較してみましょう。
詳細を説明したがらない事務所は、避けたほうが無難かもしれません。
②お客様の口コミや評判がよいか
代行事務所の公式ホームページに、実際に依頼されたお客様の声(アンケートや口コミ情報)が掲載されていることがあります。よい評判のみならず、自分たちにとって厳しい意見も合わせて掲載しているところは信頼できる可能性が高いと思います。
また、相談件数、相続税申告や相続登記の実績の多さは、多くの顧客に支持されていることの証しです。実績を公開している事務所は信頼出来ると思います。
③相談時の対応がよいか
問い合わせした際や最初の面談時に、印象の良くない事務所は避けたほうがよいと思います。コミュニケーションが取りやすく、誠実で信頼できそうな担当者を選んでください。相続は家の数ほどに、さまざまなケースがあります。親身になってアドバイスをしてくれる専門家の方と出会えれば、その後の対応もきっとスムーズに動くはずです。
④公式HPに不審な点がないか
事務所の公式ホームページには、いろいろな情報があふれています。
例えば、以下のような情報があります。
・相続税申告を得意としている。
・税理士の資格を有した者が複数いる。
・地域の個人事業者の確定申告を中心に請け負っている。
・自宅を事務所にして一人で開業していても「遺産相続〇〇センター」と名乗っている。
・事務所の住所が明記していない。
・情報量が少ない。
・料金を一切公開していない。
情報を見て不審な点がある場合は、依頼しないようにしましょう。
4.手続は誰に依頼すればよい?
では、実際に相続手続の代行サービスを依頼する場合には、誰に依頼すればよいのでしょうか?
相続手続の専門家といっても、どこの誰にどのような相談をすればよいのか迷う人が多いこと思います。これは、代行してもらいたい手続きや、相続の内容にもよるので一概にはいえません。
相続手続に関わる専門家には、弁護士、税理士、司法書士、行政書士などがいます。
また、銀行や生命保険会社には、ファイナンシャルプランナーや「相続アドバイザー」と名乗る専門の担当者もいることが多いです。
基本的にこれらの人には扱える仕事の範囲があるため、まずは自分が困っている内容をそれぞれの専門家が扱えるのか判断することが必要です。
①弁護士
弁護士は「法律のプロ」なので、相続に関するあらゆる法律問題を取り扱います。ただし「相続税に関する業務」と「不動産登記」は依頼できません。
弁護士と司法書士や税理士、行政書士との大きな違いは、代理権をもっていることです。
代理権とは、本人に代わって契約などの法律行為を行う権利のことです。
弁護士は簡易裁判所だけではなく、地方裁判所や家庭裁判所、高等裁判所などのすべての裁判所における代理権をもっており、当事者の代理人として遺産分割の交渉や調停に臨むことも出来ます。
弁護士に依頼出来る主な内容
遺言書の検認
相続放棄、限定承認
相続人調査
相続財産調査
遺産分割協議、遺産分割協議書の作成、調停、審判の代理
遺留分侵害額請求の代理
預貯金使いこみの責任追及
遺言書が無効であることを確認する手続き
②税理士
税理士は「税金の専門家」なので、「相続税が関係する場合は税理士」というイメージを持っている方も多いと思います。これは、その通りです。相続相談のうち相続税の申告は税理士にしか出来ません。相続する遺産が高額で少しでも節税したい場合などは、相続に詳しい税理士に相談するのが得策です。
その際には、「どのような相続財産があるのか」「誰がどの財産を受け継ぐ予定になっているのか」など、資産の内容や家族の状況をわかる範囲内で把握しておくと、スムーズに話を進めることが出来ます。
税理士に依頼出来る主な内容
相続税関連の相談全般
相続人調査
節税を踏まえた遺産分割協議書、遺言書の作成
※対応できない事務所もあります。
③行政書士
行政書士は法律関連の書類作成の専門家です。書類作成の代行やアドバイスだけで十分という場合には、行政書士に依頼するのもよいと思います。他の士業よりも費用を安く抑えられる可能性があります。
但し、弁護士のようなトラブル解決は業務上出来ないので、争いに発展する可能性が高い場合は弁護士に依頼するのがよいです。
行政書士に依頼出来る主な内容
相続人調査
金融機関での相続手続き
各種事実証明書類の作成
相続財産調査
遺産分割協議書の作成
車や株式の名義変更、預貯金解約払戻
④銀行・信託銀行
銀行や信託銀行では、相続手続の代行サービスを行っているところが増えています。
但し銀行員が依頼者の代理人として相続税を計算したり、相続登記を行ったりするわけではありません。不動産登記や相続税申告などの実務は銀行から司法書士や税理士などの士業への外注であり、銀行はその窓口となるだけです。専門家に支払う費用と銀行に支払う手数料が別々に発生します。また、遺産総額に比例した報酬になるため士業に比べて銀行の代行費用は高額になります。
その為、普段から身近な存在である銀行に全てを任せることができる反面、一般的に費用が高くなる傾向にあります。
5.費用の相場を知りたい
遺産相続手続の代行サービスは、専門家によって費用もバラバラです。その為、相続手続の代行サービスを利用する場合には、弁護士、税理士、行政書士など、複数の事務所のホームページを確認し、報酬の相場を事前に調べておくのがよいと思います。
料金体系(基本報酬)は、「個別プラン」と「パッケージプラン」を設定している事務所が多いです。個別プランは、手続きの内容ごとに料金が決まっている料金体系となっています。パッケージプランは、一定範囲内の手続きをまとめて代行するものです。
「パッケージプラン」の場合、遺産総額に応じて報酬を定める事務所が多く、また業務内容によっては追加報酬を求める場合もあり、必要な予算には事務所により幅があります。
たとえば、遺産総額が5,000万円未満の場合報酬は20万円。ただし「金融機関の調査が10件を超える場合1件につき2万円」「金融資産の解約・払戻手続き代行1件につき2万円」といった具合で追加報酬がかかるようなケースです。
報酬の相場は「パッケージプラン」総額で20万〜200万円(遺産総額に応じて変動)。
平均でおおよそ60万〜80万円です。
ここでは、専門家ごとの一般的な報酬の相場の目安をお知らせします。
①弁護士 費用の目安
遺産分割調停の場合、着手金が30万円~
相続放棄遺産分割協議書の作成なら10万円程度
②税理士 費用の目安
相続税申告 20万円~(遺産総額に応じて変動)
③行政書士 費用の目安
相続人調査、相続財産調査 5万〜6万円程度
預貯金や株式の名義変更 3万〜5万円程度
④司法書士 費用の目安
相続登記 1件あたり6万円~15万円
⑤銀行・信託銀行 費用の目安
相続手続代行 最低100万円~(遺産総額に応じて変動)
6.まとめ
相続手続に関わる専門家には、弁護士、税理士、司法書士、行政書士がいます。
基本的には、法律に関わることは弁護士、相続税に関する相談であれば税理士、登記に関する相談であれば司法書士といったように、それぞれの専門家を頼るのがよいと思います。
ただ、相続を得意とする税理士は、弁護士や司法書士など法律上自分ではできない業務の専門家とコネクションをもっている場合も多いものです。相続のトラブルや悩みで、誰に相談するか迷う時は、まず税理士からあたってみてもいいと思います。
特に相続を専門にしている税理士の場合には、行政書士業務も合わせて行っていたり司法書士との連携もしていたりして、ワンストップで手続を依頼出来るような事務所もあります。
相続について相談するのは、身近な人が亡くなり、ただでさえ精神的にも疲弊する人が多いタイミングです。内容や能力、予算ももちろん大切ですが、なによりご自身に合った話やすく信頼出来る専門家と出会えることが何よりも大切です。
相続手続の代行サービスを依頼する専門家を探す際は是非、当事務所にお任せください。
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